大会エッセイ①

大会前夜。「もしかしたらこれが最後の大会になるかもしれないな…」ベッドに横になりながら、漠然とそんな事が頭をよぎった。もちろん根拠はない。これからも大会に出続けると思う。だが、ふと、そんな予感がしたのだ。明日は全てを出しきる、そう心に刻んで眠りについた。

 

大会当日。私は、験を担ぐ方だ。服や扇子や食べ物などいろいろある。しかし、今回は使う扇子は事前に決めてあった。木村一基先生の「百折不撓」今の私にピッタリだと思った。会場に到着して抽選。いきなり屈指の強豪を引き当てる。今日は厳しい戦いになりそうだ。心の中でため息をつく。

ゆっくり駒を並べながら、気合いを高める。普段はものすごく緊張するのだが、不思議と落ち着いていた。「お願いします」深々と一礼して対局が始まった。

 

後手番の私が得意の居飛車穴熊を採用したのに対して、相手の方は66銀型四間飛車で対抗。図は▲75歩と突いたところ。ここが急所と判断したっぷり時間を投入。主な読みは、△同歩には▲97角が飛んでくるので△86歩を利かすかどうか。しかしこれは、一歩を渡す弊害が大きそう(後の端攻めの懸念)なのと▲85歩と逆用される危惧があり断念。よって単に△同歩に絞り、読みを再開。以下、▲97角△76歩▲75銀

△93角でどうか。以下、▲64歩からの銀交換には最後に△62飛車と角当たりに回る手がありなんとかなりそうだ。よし、これならいけそうだ。熟考した末の△同歩。ああ、それなのに。それなのに…ここから一瞬で転落を辿るとは夢にも思わなかった。続く 

※私が後手番です。図面の▲と△が逆になりますm(__)m

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