雁木戦法の復権④~実戦編~


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 再掲。図は▲66歩まで

以下の手順

△39角▲38飛車△57角成▲88玉△86歩▲同歩

△85歩▲同歩△86歩▲65歩△58馬▲同銀右△65飛車

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少し長手順進めたが、順に振り返ってみよう。

ちなみに▲66歩と打った局面はどうやらほぼ互角のようだ。ここからいよいよ後手の総攻撃が始まる。

 

△39角は65の桂馬と連動した手で、こう打ってみたい所。

私としてもこの手は想定内で、大丈夫と判断して▲66歩と打った経緯がある。しかし△39角では、どうやら△75歩の方が良かったようだ。こちらとしてもすぐに桂馬は取りずらい。なぜなら54の銀と連動してくるからだ。かといって、▲75同歩と取るのは明らかな利かされで、将来の77歩などの叩きが残る。

本譜は単に△39角だったので、以下▲38飛車△57角成と進んだ。△57角成に対して同金は桂馬に成り込まれてしまうので、▲88玉とかわした。

この局面は後続の攻めが難しいと思っていたのだが、またしてもノータイムで△86歩。実戦的で嫌らしい手だ。

さて、こういう局面でどうするか。桂馬が取れるからといってすぐ▲65歩と取ると、先に1回△87歩成を利かされるのが癪なのだ。確かに桂馬は取れるが、形を乱されるのも大きい。玉頭だけに非常に大事な場面である。

私が天下一将棋会の超強豪と戦って一番感じたのは、

玉の安定度にものすごく神経を注いでいる点だ。

どうするか悩んだ時は、魚鱗さんならどうやって守るんだろうなどと考えたり、くぼ2かんさんならどうバランスを取るんだろうと考えたりする事がある。

指し手に迷った時は、自分の好きなプロの先生や憧れの人ならどうやるんだろう?と考えるのも楽しいかもしれない。

この場面は、魚鱗さんやくぼ2かんさんなら間違いなく▲同歩だろうなと考えながら着手した。すると今度は△85歩の継ぎ歩が飛んできた。方針に従い、▲同歩と取ったが、

ここでは▲73角が良かったらしくそれなら+600点程だった。

本譜は△86歩と垂らされて玉頭に爆弾を抱える事に。以下、▲65歩と根元の桂馬を外して57の馬を切りなさいと催促。△58馬に▲同銀右と守りに引きつける。

そして、△65飛車と捌いたのが図の局面である。

みなさんならどちらを持ってみたいだろうか?形勢判断をしてみよう。

相手の方の主張はなんといっても、玉頭にある86の歩だ。

そして65の飛車が85と25に回る筋があって大活躍しそうなこと。22に引っ張りだされたとはいえ、左美濃の堅陣も健在だ。

一方の雁木問屋の主張点はどこか。それは駒得に尽きる。

現時点では私の方が角と桂馬を得たのに対して、相手の方は金のみ。

駒は得しているものの、38の飛車の働きもいまいちだし、囲いも崩されている。雁木問屋が苦しいんじゃないの?と思ったそこのあなた。ちょっと待ってほしい。次の1手でこちらも存分に戦えるのだ。そして、その一手はヒントの技巧と一致したのである。

さぁ反撃開始だ!

続く