雁木戦法の復権⑤~実戦編~

再掲。図は△65飛車まで

以下の手順

▲77角△44歩▲同角△33銀▲66角△85飛車▲77桂△87金▲79玉△25飛車▲28歩△55銀▲同角△同飛車▲66角△54飛車▲35歩△65歩


f:id:tenkaichibigbo:20170610135319j:image

 

次の1手はずばり▲77角。この斜めのラインが非常に受けずらい。技巧もこの手を推奨で+500点。私も手応えを感じていた。△44歩は大駒は近づけて受けよの手筋。本譜は▲同角と取ったが、ここでは▲35歩が優った。

△同歩ならそこで44に角を飛び出せば34の地点に空間があるので受けずらい仕組みだ。以下、△33銀▲77角△43金▲34歩△同金▲26桂と進めば大成功である。▲35歩は全く見えておらず、ヒントの技巧に教えてもらい大変勉強になった。

▲44角△33銀。問題はここで角をどこに引くかだ。技巧推奨は▲77角。以下、△85飛車には▲87歩と合わせて△同歩成▲同金。この局面をよく見ていただき、そして思い出してほしい。後手の主張点はなんだっただろうか?

そう、86歩の拠点と飛車の稼働性である。

ところが、この展開はそのどちらの主張も消えているのだ。

77に角を引いたことによって86の地点は金と協力してカバーしている。さらに85の飛車が先手陣に近すぎて、攻めずらくなっている点も見逃せない。玉の安定度に常に気を配ること。これが勝率アップのコツである。

本譜は▲66角。△85飛車には▲77桂馬が強気の表現。本局は終始一貫この方針である。

以下、△87金に▲79玉。

▲77に角を引いた時と比べてみよう。

①玉が囲いの外に追い出されている。

②87金、86歩、85飛車という3枚の攻め駒が健在←後手の主張が存分に通っている。

 

比較すると分かりやすい。勝率が上がるのは口説いようだが、前者である。

では、なぜ私はこちらを選んだのか?

理由は2つある。

1つは相手の攻めを引っ張りこんでも大丈夫と判断したこと、もう1つは87の金を取ることも視野に入れつつ寄せを睨んでいたこと。

結果的には最善ではなかったが、強気な受けで自分を表現できたことはとても面白かった。

 

さて、局面に戻ろう。

 △25飛車にはじっと▲28歩と受けて春が来るのを待つ。△55銀と急所の角を追ってきたのに対して▲同角と切り飛ばす。△同飛車に返す刀で▲66角と再度の大砲設置。この斜めのラインに命運を託した。△54飛車と引いた所で評価値はほぼ互角。そしてついに待望の攻めのターンが回ってきた。▲35歩。眠れる獅子がついに目を覚ました。

飛車「待ちくたびれましたよ、全く…笑」

そして、△65歩と追った場面を迎えた。

本局は終始一貫強気のはずだったが…

続く