歩っかる将棋ブログ

2024年から山形県天童市を中心に将棋の活動を再開しました。将棋大会の様子や自分の実戦を紹介しています。

第26回北部将棋大会

1月28日に行われた「第48回村山市長杯争奪新春将棋大会」は約4年ぶりの大会参加でした。

村山市長杯からあっという間に1週間が過ぎ、「第26回北部将棋大会」当日を迎えました。フットワーク軽めで今大会もA級にエントリーです。

今大会の概要は下記の通りです。

  • 参加費は500円(昼食は各自)
  • 持ち時間は各35分切れ負け
  • スイス式5回戦

会場から歩いて2分の所にコンビニがあるので便利でした。昼食の他に、イカカオチョコレート、ナッツ、カロリーメイトを購入して準備完了です。

 

ただし、駐車場は縦列で満車状態のため、車が穴熊状態でした……(笑)

参加賞はティッシュペーパーです。

実用品はありがたい。

会場では、飴やみかん、お茶が無料でふるまわれていました。

大量の黒飴。

こちらも大量のみかん。

セルフサービスで温かい飲み物も。疲れた脳にしみわたる。

盤と駒は木製とプラスチック製の両方が使われていました。最近では比較的珍しいアナログ時計もちらほら。

開始前には練習対局を楽しむ方たちの姿が多数。

今大会の賞品授与は準優勝までですが、優勝者には賞状などの他に商品券が贈られます。

立派な盾。

それでは1回戦からポイントになった局面を簡単に振り返ります。

 

1回戦 対A氏

私の先手ノーマル雁木に後手も雁木+右四間で対抗。

仕掛けるタイミングが難しく、先手番としては不本意ながら千日手を選びました。千日手は残り時間で指し直しです。

今度は後手番でノーマル四間飛車を採用しました。先手の構えは独特の形です。8筋で桂交換が行われ、先手が飛車を29に戻したところです。

ここで、後手に軽い動きがあります。

お互い桂交換して局面が一段落。後手はどこに目をつけるか

▲29飛以下は、△55歩▲同歩△63桂

手筋の桂が打てて後手が主導権を握りました。先手は有効な桂の使い道がありません。先手陣の玉頭を攻めているので、後手が勝ちやすい展開になりました。白星スタートです。

2回戦 対O氏

O氏の三間飛車に力戦調で対抗して下記の局面を迎えました。詰めろで迫られていますが、軽い玉捌きがあります。

竜と桂で肉薄されて先手がピンチに見えるが……

▲85桂以下は、▲57玉△77桂成▲46玉

銀をおとりにスタコラサッ作戦。「中段玉寄せにくし」の格言通り、先手玉が一気に安定した。後手は竜と桂2枚が重い形。先手優勢

77の銀を助けるために67玉のまま頑張るのは危険です。ここはあっさり銀を犠牲にするのが明快です。先手玉が中段に浮かんでいた金銀に囲われて安全になり、読みやすい形になりました。連勝で昼食休憩です。

4回戦 対K君

K君の先手中飛車に一直線穴熊で対抗しました。後手の飛車が銀と押さえ込まれそうですが、切り返しがあります。

本局の急所の局面。後手の飛車が押さえ込まれそうだが、フッ軽な1手がある。

△61飛が好手。地味ですが、先手の対応が難しい形です。後手にとっては、飛車と角を交換する見通しがたったことが大きかったですね。

先手の狙いの▲63銀成を防ぎながら、66の急所の角との交換を狙っている。押さえ込まれそうだった飛車に、一気に活が入った形に。

△61飛車以下は、▲72歩成△66飛車▲同飛△55角▲61飛成△46歩▲57金△99角成

景色が一変。後手の押さえ込まれそうだった飛車が、持ち駒の角に変わった計算になっている。先手は▲74の銀が遊んでいるのが痛い。後手勝ちやすい。

この後は穴熊の堅さを活かして押し切りました。

5回戦 VS M君

先週の村山市長杯に続いての対局です。前回と同じノーマル四間飛車対エルモ急戦になりました。今、先手が2筋の歩を交換したところです。ここで局面をリードするために角を手放しました。

ここでどう指すか。

▲28飛以下は、△65角▲58金△76角

先手の76の歩を削ったのが大きい。筋違い角が働く見通しが立った。後手としてはまずまずの展開。

先手は37の銀の活用が悩ましいところで、こうなる前に工夫が必要だったかもしれません。

この後は87の地点を目標にしながら、細かくポイントを稼いで勝ちやすい形になりました。

 

3回戦の対局は激戦だったため、次回紹介します。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

先手一直線穴熊VSゴキゲン中飛車

毎週木曜日に天童将棋交流室で開催されている天童プロ棋士育成教室に行ってきました。熊坂学六段と天童支部会員の指導のもと、少数で活動しています。

 

今回はT君との対局を紹介します。

居飛車はやや堅さで負けているので右辺でリードを奪いたい

私が先手で今▲26角と活用したところです。46歩を突く形も指したことがあるのですが、今回は27飛車の横利きで後手の飛車に対抗することにしました。

 

ここで後手は軽く△45飛車。

後手の飛車が47と25の歩を両方にらんでいて軽い形。先手は飛車角が不自由。先手難局。

後手の飛車が狭いので指しにくいかと思っていたのですが、浮かれてみると困っていることに気づきました。ここで思わしい手が見つからず、長考になりました。

 

本来は▲26角と出る前に想定できる局面なので、読み抜けが相手に分かってしまいます。持ち時間の大半をつぎ込み、不本意ながら決戦策に出ることにしました。

△45飛車以下は、▲35歩△44角▲24歩△35角▲23歩成△26角▲同飛△47飛成

 

一気に決戦突入

▲35歩からの動きはやや無理気味に思えましたが、こう進んでみると居飛車だけ桂馬が取れそうなのでまずまずかもしれません。

 

△47飛成以下は、▲32と△56歩▲同歩△57歩▲21飛成△58歩成

後手のと金が先手玉に近い。先手正念場。次の1手が勝敗を分けることに

先手は桂得を果たしたものの、79の銀がと金で削られそうです。ここではお互い秒読みに入っており、次の手を必死に考えました。

候補は、▲11竜とさらに駒得を広げるか、もしくはじっとと金を活用する▲42と。しかし、後手のと金に対して先手のと金は遠いように感じて断念しました。

 

そこで、ふと閃いたのが▲48歩と打つ手です。竜とと金のどちらでも取りずらいかと思っていたのですが……

△58と以下、▲48歩△67竜!

竜切一閃!の後手会心の一着。これで一気に流れが後手に傾いた。先手の穴熊は薄く修正がきかない。48歩「歩っかるのせいで俺が戦犯になりそうで草」

竜を切られる手が全く見えておらず、一気に形勢が苦しくなりました。78の金が囲いから離れるのも痛いです。

 

△67竜以下、▲同金△69と▲11竜△46角

急所のラインに角を設置。後手玉は無類の堅さで全く見えない。後手優勢

角とと金が連動しており、先手陣は補強が難しい形です。後手だけ5筋の歩が切れているのも大きく、再度の垂れ歩や51歩の補強がききます。

以下粘ってみたものの、着実に差を広げられて受けがなくなりました。

 

本譜の代案としては、△45飛車と浮かれたところで▲56歩と突く方が良かったかもしれません。

△25飛車と歩を取ってきたら▲37桂で迎え撃つ方針。後手も25の歩は取りにくいかもしれない

これなら十分互角に戦えそうで、これからの展開と言えるでしょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

第48回村山市長杯争奪新春将棋大会

1月28日(日)に村山市で開催された「第48回村山市長杯争奪新春将棋大会」に参加してきました。

 

出発準備

久しぶりの大会参加なので、将棋仲間のくぼさんのブログを読んで気持ちを高めてから出発しました。途中、コンビニで栄養補給にカロリーメイトを購入して準備万端です。

会場到着

大会会場までは車で約30分ほどでした。

会場は、村山市の「クアハウス碁点」です。

こちらが入口です。

今年の山形は記録的な暖冬で、ほとんど雪が降りません。会場がある村山市も豪雪地帯なのですが、雪が非常に少なかったです。

開会式を終えて、真田圭一八段の号令で対局が開始されました。

1回戦 対Y氏

ルールはスイス式トーナメント5回戦で、持ち時間は15分切れたら30秒です。

ここからは印象に残った対局を2局振り返ります。

 

1回戦の対局相手のY氏は70歳を超えていますが、気力、棋力共に衰え知らずの強豪です。私の後手四間飛車穴熊に先手は銀冠で対抗。銀冠はY氏の十八番です。

 

ここで仕掛けを決断

▲38飛車に対して長考。先手は間合いを計りつつ、力をためています。15分30秒の持ち時間からたっぷり時間を使って開戦を決断しました。

▲38飛以下は、△84歩▲同歩△85歩▲97角△84金

 

玉頭から逆襲。この構想が吉と出るか凶と出るか

お互いに怖い局面です。対局中はまずまずの局面と感じていました。

△84金以下は、▲24歩△同歩▲28飛△95歩▲同歩△75歩▲66銀△95金

 

穴熊側が押しているように見えるが……

△95金以下は、▲96歩△同金▲同銀△同香▲89玉

 

先手玉が妙に深い。香車の利きが通り後手玉も怖い形に

この局面が本局の急所でした。本譜は▲89玉以下、△97香車不成▲同香△93歩▲75銀△92銀▲99香

△97香車不成と角を取るところでは、△86銀と攻めていくのが有力でした。

後手は飛車、銀の働きが悪い

難解な形勢ですが、先手の駒はどれも急所にきいています。この後はY氏の指し手が冴えわたり敗戦。黒星スタートになりました。

昼食

昼食はカレーライス

1回戦終了後にY氏と感想戦をしながら美味しくいただきました。

大会参加費1,500円の中に昼食代も含まれています。

3回戦 対O氏

村山支部の強豪O氏の先手中飛車を迎え撃つ形になりました。

後手は一直線穴熊を目指しているが……

ここでO氏は「揺さぶりかけてみたくなるよね」と小声でつぶやきながら▲66飛。

飛車成が受けにくい

「当然読んでいます」と言わんばかりにノータイムで△62飛。そこで▲86歩と突かれて早くも形勢が悪くなりました。中飛車を得意とするN君に聞いたところ、△62飛車に変えて△52金と耐えればまだがんばれたようです。

先手技あり、後手しびれ形

ここからは苦難の道の連続です。▲86歩以下は、△45歩▲85歩△55角▲86飛△77角成▲同桂

先手絶好調、後手は主張が何もない

ここで粘る順を模索するために時間を投入しましたが、いい手はありませんでした。

悪くなってから時間を使うのは、時間の使い方として一番まずい手段です。

富士山盛りサーモン軍艦「今更考えても時すでにお寿司」私「……」

ここで長考の末に△82歩と辛抱しました。「ひえ~渋い。渋い……」と思わず声が漏れるO氏。以下、▲84歩に△92角と投入しましたが、俗にいう「幸せになれない手」です。

涙の辛抱

先手は持ち駒の角という大きな主張ができたので、急ぐ必要がありません。慌てず、陣形を整えられてさらに差が広がりました。しばらく進み、迎えたのがこの局面です。

先手の突破を防いで頑張ってきましたが、ここで軽妙手があります。

先手の決め手は?

▲72歩!の焦点の歩の手筋一発で後手は受けがありません。飛車で取れば▲83歩成、角で取れば▲71角、放置しても▲83歩成があります。以下はO氏の独壇場。先手中飛車会心譜となりました。

歩の軽妙手、ついに後手崩壊

11年ぶりの優勝を目指して対局に臨みましたが、最終結果は3勝2敗でした。

参加賞のクランキーチョコ「自分の実力勘違いしてて草」私「……」

約4年ぶりの将棋大会参加は、充実した時間でした。運営の村山支部の方々はじめ、関係者の方に感謝です。

 

今大会の各クラスの結果は日本将棋連盟山形県支部連合会に掲載されています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 



 

 

 

 

 

将棋&ブログ再開

ご無沙汰しております。

今日は約4年ぶりに将棋大会に参加しました。将棋大会参加をきっかけに、ブログも復活します。

前のブログタイトルが冴えなかったので、変更を決意。ところが、あまりいいタイトルが浮かびませんでした。

いろいろ思案しているうちに思いついたのが、前のタイトルを踏襲した「復活の回り道」

どうもいまいちですね……

それからしばらくして、フットワークが軽い親友を思い浮かべながらサムネの「歩」のキーホルダーを眺めていると、タイトルが閃きました。

歩っかる(ふっかる)将棋ブログ

どっちにしろいまいちという声が聞こえてきそうですが(笑)、これに決めました。

どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m