歩っかる将棋ブログ

2024年から山形県天童市を中心に将棋の活動を再開しました。将棋大会の様子や自分の実戦を紹介しています。

先手一直線穴熊VSゴキゲン中飛車

毎週木曜日に天童将棋交流室で開催されている天童プロ棋士育成教室に行ってきました。熊坂学六段と天童支部会員の指導のもと、少数で活動しています。

 

今回はT君との対局を紹介します。

居飛車はやや堅さで負けているので右辺でリードを奪いたい

私が先手で今▲26角と活用したところです。46歩を突く形も指したことがあるのですが、今回は27飛車の横利きで後手の飛車に対抗することにしました。

 

ここで後手は軽く△45飛車。

後手の飛車が47と25の歩を両方にらんでいて軽い形。先手は飛車角が不自由。先手難局。

後手の飛車が狭いので指しにくいかと思っていたのですが、浮かれてみると困っていることに気づきました。ここで思わしい手が見つからず、長考になりました。

 

本来は▲26角と出る前に想定できる局面なので、読み抜けが相手に分かってしまいます。持ち時間の大半をつぎ込み、不本意ながら決戦策に出ることにしました。

△45飛車以下は、▲35歩△44角▲24歩△35角▲23歩成△26角▲同飛△47飛成

 

一気に決戦突入

▲35歩からの動きはやや無理気味に思えましたが、こう進んでみると居飛車だけ桂馬が取れそうなのでまずまずかもしれません。

 

△47飛成以下は、▲32と△56歩▲同歩△57歩▲21飛成△58歩成

後手のと金が先手玉に近い。先手正念場。次の1手が勝敗を分けることに

先手は桂得を果たしたものの、79の銀がと金で削られそうです。ここではお互い秒読みに入っており、次の手を必死に考えました。

候補は、▲11竜とさらに駒得を広げるか、もしくはじっとと金を活用する▲42と。しかし、後手のと金に対して先手のと金は遠いように感じて断念しました。

 

そこで、ふと閃いたのが▲48歩と打つ手です。竜とと金のどちらでも取りずらいかと思っていたのですが……

△58と以下、▲48歩△67竜!

竜切一閃!の後手会心の一着。これで一気に流れが後手に傾いた。先手の穴熊は薄く修正がきかない。48歩「歩っかるのせいで俺が戦犯になりそうで草」

竜を切られる手が全く見えておらず、一気に形勢が苦しくなりました。78の金が囲いから離れるのも痛いです。

 

△67竜以下、▲同金△69と▲11竜△46角

急所のラインに角を設置。後手玉は無類の堅さで全く見えない。後手優勢

角とと金が連動しており、先手陣は補強が難しい形です。後手だけ5筋の歩が切れているのも大きく、再度の垂れ歩や51歩の補強がききます。

以下粘ってみたものの、着実に差を広げられて受けがなくなりました。

 

本譜の代案としては、△45飛車と浮かれたところで▲56歩と突く方が良かったかもしれません。

△25飛車と歩を取ってきたら▲37桂で迎え撃つ方針。後手も25の歩は取りにくいかもしれない

これなら十分互角に戦えそうで、これからの展開と言えるでしょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。