ツノ銀雁木VS最速の布陣②


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再掲。図は▲46銀まで

※実戦は私が後手番です。

以下の手順

△36歩▲38飛車△74歩▲36飛車△51角▲35銀△73角▲37桂馬△52金▲76歩△65歩▲44銀△同銀▲同角△33歩▲88角△43金右▲46歩△54銀▲45歩△27銀▲35飛車△46角

↓試合終了の合図は△46角まで
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▲46銀と素早く銀を繰り出されて、私は早くも作戦負けを自認した。そして△36歩と手筋とばかりに突いた手が傷口を広げた悪手。ここでは、直観に従い△34銀が良かった。以下▲38飛車には△43金と力強く上がるのが均衡を保つ一着。これはヒントの技巧推奨の手で角頭をケアすれば互角だったようだ。しかし、残念ながら金上がりが見えなかったので断念。

 

本譜は▲35銀まで進んでみると、こちらの苦戦が明白となった。この時点で既に-500。手数にしてわずか30手の出来事だ。

△73角と斜めのラインで牽制するも、▲37桂馬と味よく活用。暗澹(あんたん)たる気持ちで遅ればせながらの△52金。とりあえずツノ銀雁木完成である。

しかし、ここで待望の▲76歩。角をこのタイミングで活用されてこちらはお手上げである。さらに差が開いて-830。ほとんど駒がぶつかっていないにも関わらず、だ。相手の方の駒組と構想が素晴らしすぎた。

73角「おーい、飛車。俺達のお荷物感、半端なくねw?」

82飛車「え?ぼ、僕は横に効いてるから働いてると思うけど…」

73角「ちょっ、お前裏切るのかよwおーい大将!俺を使えって!ここは△45歩の一手だろ!!」

ん?何か聞こえたような?とりあえず△45歩と突く。ダブルエースが眠ったままでは戦えない。

73角「分かってるじゃねーか大将!」

しかし、これで局面が好転したわけではない。本譜は▲44銀の切り込みだったが、▲34歩とじっと押さえるのが急所中の急所で優った。

↓手も足も出ね図は▲34歩まで
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だが、本譜も苦しい。△33歩に対して▲88角だったが、▲45桂馬と決めにこられたら-1000とさらに差が開いていたようだ。

本譜▲46歩からの手順は筋が良すぎたかもしれない。ここはガツンと▲44銀がリードを保つ一着でそれなら苦しい時間が続いた。

▲45歩はウッカリと思われる。上手の手から水が漏れるとはこのことか…△27銀が起死回生の一着。なんと王手飛車がかかってしまった。将棋は恐ろしい。たった一手のミスで一気に形勢が逆転した。△46角で逆にこちらが+1000。一体どこが悪かったんだろう?一人で脳内将棋盤で感想戦を始めたのだが…

続く

 

 

 

ツノ銀雁木VS最速の布陣

初手からの指し手

※実際は私が後手番で雁木側です。

 

▲26歩△34歩▲25歩△33角▲48銀△32銀▲48銀△44歩▲58金右△43銀▲68玉△32金▲78銀△41玉▲79玉△62銀▲36歩△64歩▲57銀△63銀▲35歩△同歩▲46銀


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今、雁木が熱い。プロの先生の将棋でもしばしば見受けられるようになった。今後、雁木の発展が楽しみだ。

 

時計の針はちょうど20時をさしたところだった。

私はスタバでお茶を飲みながら、県強豪のあべしん君←(本人了承済み)と向き合っていた。

どうやら天下一将棋会配信VS魚鱗さんとの将棋(https://twitter.com/namba_hills/status/873853886838300672←2時間42分頃に私が登場します。)を観戦してくれたらしい。ゆっくりと、彼は口を開いた。

「あの雁木対策は秀逸でした。将棋の理にかなってますね。△33角を一番とがめているかも。」

確かにその通りなのだ。▲25歩で△33角を強要し、その弱点である角頭に狙いを定める

そして彼はこうも言った。

「本当に△33角って必要なんですか?もし私が雁木をやるならそこから調べてみたいです」

そして、最後にぽつりと一言。

「将棋は自分で考えるのが大事なんです」

ソフトで調べる事が全盛の時代。彼の言葉がしばらく頭から離れなかった。

 

それから数日後。雁木戦法の復権最終回を書き終えた私は、達成感と高揚感に包まれていた。

次はどんな記事を書こうか。ツイッターに11個候補を並べてみた。しかし、どれも企画倒れになりそうである。

苦笑いしながらとりあえずクエストで1局。

5分切れ負けは気分転換にはちょうどいい。

相手は高段者。しかも初手は▲26歩。ニヤリ(* ̄ー ̄)ツノ銀雁木の出番である。

しかし、本譜のタイミングで▲25歩を決められると△33角はどうしても必要な気がする。

現時点ではやむを得ないという結論に達した。

例によって、相手は左美濃。コンパクトで手数がかからず堅い。現代将棋の象徴だ。

私は61の金をそのままに、せっせとツノ銀の完成を急ぐ。

これがささやかな工夫だ。82の飛車が22もカバーしてるでしょ、と言っているわけである。ただし、右金が離れる代償も大きい。

しかし、私は指しながら違和感を覚えた。

おかしい。陣形が立ち遅れすぎている。

その正体は、相手が先手番+角道を開けていない+38飛車も省略して角頭を狙ってきた事にあった。

まさに最速の仕掛けだ。

図の局面。

私は、2つの候補を考えたが、1つはすぐ切り捨てた。

だが、切り捨てた方が正解だったのだ。

ここで間違えた私は一気に大苦戦に陥る事になる。

続く

 

 

 

 

 

 

日常エッセイ「じゃんけん将棋」

将棋教室も残り30分。子供達の将棋を観戦している時だった。「ジャンケンポン!」

誰もが知っているお馴染みのフレーズが聞こえてきた。

「ん?」私は、眉をひそめた。おそらく振り駒に変えて、先手と後手を決めているのだろう。そう思っていたのだが、声は静まる気配が一向にない。むしろ、高まるばかりだ。

やれやれ、叱るのは気が引けるんだよな。そんな事を思いながらその場に行くと、何やら様子がおかしい。

「ここで勝負をかけるぜ!」

その掛け声と共に、信じられない1手が指された。▲33角成!!


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勝負をかける!?意味不明である。

将棋のルールがわかる方なら、これには△同角や△同桂と取れる事がお分かりいただけると思う。要は自ら大損する「ありえない手」なのだ。

そんな事を考えていると、またもや

「ジャンケンポン!!」

先程よりも掛け声が力強い。

「よっしゃー!!」

雄叫びと共に相手の王を取ってしまった。どうやらジャンケンで勝った方が連続で指せるルールらしい。子供の発想力には恐れ入る。私は1度も考えたことがなかった。相手の子供は頭を抱えて本気で悔しがっているではないか。

「おいおい、どっちもおかしいだろ」

思わず笑いながら声を出すと、辺りは爆笑の渦に包まれた。

笑いは笑いを呼び、楽しさは波及する。

なんと、他でもジャンケン将棋が始まったのだ。当然、こちらでも再戦が始まった。勝敗に一喜一憂する子供達。

「将棋の強さと全然関係ないじゃん!」

笑顔で突っ込みを入れる私。

「そうなんですよ、先生。意味ないんですよこんなの」

利発そうな子が私に話しかけてきた。だが、そうはいいつつも楽しそうな笑顔だ。

その時だった。私の方を見上げる一人の男の子。

「出さなきゃ負けよ!ジャンケンポン!」

なんだその掛け声は。初めて聞いたぞ。

笑いながら「出しても負けたじゃねーか」

はにかむ子供の笑顔のかわいいことといったら!天使である。

「僕も!僕も!」

最早完全にジャンケン大会である。次から次へと子供がやってくる。

「先生ジャンケン強いねー!」

子供達からありがたい?褒め言葉をもらい終了の時間となった。童心にかえるとはこの事を言うのだろう。まだ1度も対局したことがない子供とも交流できて、とても嬉しかった。これで少しずつうちとけられたらいいな。ほんのりと心に灯りが差したような、そんなあたたかい気持ちに包まれた。

最後の終了の挨拶前に一番偉い先生から一言。

「対局中は私語は慎んで、真剣に盤面に臨むように」

子供達は神妙な面持ちで聴いている。

「あの先生が一番楽しんでたじゃん」

子供達の視線と心の声が痛い。

ごめん、と心の中で手を合わせる私なのであった。

 

 

雁木戦法の復権「最終回」~実戦編~


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再掲。図は△33歩まで

以下の手順

▲44金△39飛車成▲49金△同竜▲同銀△59飛車 以下手順略 投了

 
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△33歩と受けられてみると、まだまだ難しい。ここが勝敗を左右する場面だ。飛車がいるために▲34桂と打てない。ならば、その飛車をどかそうという発想が産まれる。ただし、飛車を追うと△39飛車成と王手が飛んでくる。それが複雑な終盤により拍車をかけているのだ。私は、最後の長考に入った。残り時間がみるみるうちに減っていく。緊張は極限に達した。

 

直観は▲45銀。対して△39飛車成▲69歩でどうやら耐えていそうだ。読みの本線はこれだったが、▲69歩の瞬間手番が相手にいくのが怖すぎる。他に何かないか。再度、目を皿のようにして盤を凝視した。

終盤は先手を取れるかどうかは勝敗に直結する。その瞬間、閃いた。そうか!これなら行けそうだ。時間にして20秒。残りはいよいよ1分に迫ろうとしている。

私は、▲44金を決行。より手厚くという意味だが、ここは直観に従って▲45銀が優った。技巧もそれで+600点との判断だった。

ただし、これはまだ罪が軽かった。

後手は当然△39飛車成と攻めこんでくる。

ここで、再度の読みを入れて確認。残り時間は1分2秒。自分を信じて▲49金と竜を叱りつける。5秒後、後手は△同竜。ここまでずっとややリードしていたこの将棋だったが、ついにこの場面で逆転した。なんと評価値が-1130に振れたのだ。しかし、私は事の重大さに気づいていない。竜を逃げられないから取ったんだろうな、そう軽く考えていた。後手、本当の本当のノータイムで△59飛車打ち。-1402点。この瞬間全てが終わった。私は、直前に飛車を渡した事を完全にうっかりしていたのだ。

悪手を指した瞬間の悲しみや自分に対する怒り。それは筆舌に尽くしがたいものがある。たった1手のミスで、積み上げてきたものが音を立てて崩れるのだ。

この場面、野球で言えば3対2で8回を迎え、観客の盛り上がりも最高潮。ところが一気に大量点が入って試合が決まってしまったようなものだ。ため息とブーイング。私は、自分自身にヤジを飛ばした。

残り41秒まで考えて▲69銀打ち。上記の事を考えていたのと、残り数秒は気持ちの整理である。後手は△55飛車成。この角を軸にずっと攻撃を組み立ててきたのだ。エースがいなくなった今、私に勝ち目はない。以下、▲33金から特攻したが届かず投了となった。

 

全7回のツノ銀雁木自戦記、いかがだったろうか?私自身も雁木について深く掘り下げることができてとても楽しかった。

対局中の心情や読み筋も、読者の皆様に伝わったならとても嬉しい。

最終回は情が移ってなかなか筆が進まなかったが、おかげさまで終えることができた。これからも雁木を楽しみながら続けていきたいと思う。ご愛読に感謝。ありがとうございました。

 

 

雁木戦法の復権⑥~実戦編~

 


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再掲。図は△65歩まで

以下の手順

▲同桂△78金▲同銀△55金▲34歩△同銀▲34飛車△同飛車▲55角△33歩


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ここまで終始一貫強気の連続だった私。しかし、△65歩に対して弱気の虫が囁いた。直観は▲33角成だったが、安全に勝ちたくなり▲同桂を選択。これが判断ミスで、技巧も推奨は▲33角成だった。角を切れば△65歩の一手が攻めにも守りにもきかない、中途半端な手になることに気づいてもらえるだろうか?一瞬のチャンスを逃し、ついに残り時間は2分を切った。

 

後手は私の一瞬の隙を見逃さなかった。このタイミングで△78金が絶好。▲同銀に対して△55金と中央を死守。なんと87の金が55にワープした計算になっている。

「やっぱり角を切るんだった」軽い目眩と後悔を感じながら、意を決して▲34歩。△66金と角を取られても、▲33歩成と踏み込んで勝てそうだ。

それを察知して△同銀。残り1分47秒。心臓の鼓動がどんどん早くなる。貴重な持ち時間から10秒を使い、祈るような気持ちで▲34飛車。技巧もこの手を推奨で+400。「頼むからこれで寄ってくれ」そんな気持ちだった。飛車を切ったらもう後戻りはきかない。△同飛車に▲55角と金を取りながら天王山に角が躍り出た。勝てそうな手応えを感じた矢先に、ノータイムで△33歩。残り時間はお互い1分30秒で並んだ。本局はここからがハイライトである。私は、最後の長考に入ったのだが…

次回、最終回。続く

雁木戦法の復権⑤~実戦編~

再掲。図は△65飛車まで

以下の手順

▲77角△44歩▲同角△33銀▲66角△85飛車▲77桂△87金▲79玉△25飛車▲28歩△55銀▲同角△同飛車▲66角△54飛車▲35歩△65歩


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次の1手はずばり▲77角。この斜めのラインが非常に受けずらい。技巧もこの手を推奨で+500点。私も手応えを感じていた。△44歩は大駒は近づけて受けよの手筋。本譜は▲同角と取ったが、ここでは▲35歩が優った。

△同歩ならそこで44に角を飛び出せば34の地点に空間があるので受けずらい仕組みだ。以下、△33銀▲77角△43金▲34歩△同金▲26桂と進めば大成功である。▲35歩は全く見えておらず、ヒントの技巧に教えてもらい大変勉強になった。

▲44角△33銀。問題はここで角をどこに引くかだ。技巧推奨は▲77角。以下、△85飛車には▲87歩と合わせて△同歩成▲同金。この局面をよく見ていただき、そして思い出してほしい。後手の主張点はなんだっただろうか?

そう、86歩の拠点と飛車の稼働性である。

ところが、この展開はそのどちらの主張も消えているのだ。

77に角を引いたことによって86の地点は金と協力してカバーしている。さらに85の飛車が先手陣に近すぎて、攻めずらくなっている点も見逃せない。玉の安定度に常に気を配ること。これが勝率アップのコツである。

本譜は▲66角。△85飛車には▲77桂馬が強気の表現。本局は終始一貫この方針である。

以下、△87金に▲79玉。

▲77に角を引いた時と比べてみよう。

①玉が囲いの外に追い出されている。

②87金、86歩、85飛車という3枚の攻め駒が健在←後手の主張が存分に通っている。

 

比較すると分かりやすい。勝率が上がるのは口説いようだが、前者である。

では、なぜ私はこちらを選んだのか?

理由は2つある。

1つは相手の攻めを引っ張りこんでも大丈夫と判断したこと、もう1つは87の金を取ることも視野に入れつつ寄せを睨んでいたこと。

結果的には最善ではなかったが、強気な受けで自分を表現できたことはとても面白かった。

 

さて、局面に戻ろう。

 △25飛車にはじっと▲28歩と受けて春が来るのを待つ。△55銀と急所の角を追ってきたのに対して▲同角と切り飛ばす。△同飛車に返す刀で▲66角と再度の大砲設置。この斜めのラインに命運を託した。△54飛車と引いた所で評価値はほぼ互角。そしてついに待望の攻めのターンが回ってきた。▲35歩。眠れる獅子がついに目を覚ました。

飛車「待ちくたびれましたよ、全く…笑」

そして、△65歩と追った場面を迎えた。

本局は終始一貫強気のはずだったが…

続く

 

 

 

雁木戦法の復権④~実戦編~


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 再掲。図は▲66歩まで

以下の手順

△39角▲38飛車△57角成▲88玉△86歩▲同歩

△85歩▲同歩△86歩▲65歩△58馬▲同銀右△65飛車

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少し長手順進めたが、順に振り返ってみよう。

ちなみに▲66歩と打った局面はどうやらほぼ互角のようだ。ここからいよいよ後手の総攻撃が始まる。

 

△39角は65の桂馬と連動した手で、こう打ってみたい所。

私としてもこの手は想定内で、大丈夫と判断して▲66歩と打った経緯がある。しかし△39角では、どうやら△75歩の方が良かったようだ。こちらとしてもすぐに桂馬は取りずらい。なぜなら54の銀と連動してくるからだ。かといって、▲75同歩と取るのは明らかな利かされで、将来の77歩などの叩きが残る。

本譜は単に△39角だったので、以下▲38飛車△57角成と進んだ。△57角成に対して同金は桂馬に成り込まれてしまうので、▲88玉とかわした。

この局面は後続の攻めが難しいと思っていたのだが、またしてもノータイムで△86歩。実戦的で嫌らしい手だ。

さて、こういう局面でどうするか。桂馬が取れるからといってすぐ▲65歩と取ると、先に1回△87歩成を利かされるのが癪なのだ。確かに桂馬は取れるが、形を乱されるのも大きい。玉頭だけに非常に大事な場面である。

私が天下一将棋会の超強豪と戦って一番感じたのは、

玉の安定度にものすごく神経を注いでいる点だ。

どうするか悩んだ時は、魚鱗さんならどうやって守るんだろうなどと考えたり、くぼ2かんさんならどうバランスを取るんだろうと考えたりする事がある。

指し手に迷った時は、自分の好きなプロの先生や憧れの人ならどうやるんだろう?と考えるのも楽しいかもしれない。

この場面は、魚鱗さんやくぼ2かんさんなら間違いなく▲同歩だろうなと考えながら着手した。すると今度は△85歩の継ぎ歩が飛んできた。方針に従い、▲同歩と取ったが、

ここでは▲73角が良かったらしくそれなら+600点程だった。

本譜は△86歩と垂らされて玉頭に爆弾を抱える事に。以下、▲65歩と根元の桂馬を外して57の馬を切りなさいと催促。△58馬に▲同銀右と守りに引きつける。

そして、△65飛車と捌いたのが図の局面である。

みなさんならどちらを持ってみたいだろうか?形勢判断をしてみよう。

相手の方の主張はなんといっても、玉頭にある86の歩だ。

そして65の飛車が85と25に回る筋があって大活躍しそうなこと。22に引っ張りだされたとはいえ、左美濃の堅陣も健在だ。

一方の雁木問屋の主張点はどこか。それは駒得に尽きる。

現時点では私の方が角と桂馬を得たのに対して、相手の方は金のみ。

駒は得しているものの、38の飛車の働きもいまいちだし、囲いも崩されている。雁木問屋が苦しいんじゃないの?と思ったそこのあなた。ちょっと待ってほしい。次の1手でこちらも存分に戦えるのだ。そして、その一手はヒントの技巧と一致したのである。

さぁ反撃開始だ!

続く