子供将棋教室指導とスタバ研究会

仕事が終わってから、子供将棋教室へ。お、いるいる。いつものメンバーだ。その中にあべしん君も発見。またスタバ研やろうよ、と半ば強引に召喚。快諾してくれる心意気が素晴らしい。

今日は平手で2局。私のスタイルは感想戦重視。

で、なおかつ子供に質問してしゃべってもらう形を取っている。

「ここはこうした方が良かったね」ではなく、「ここはどうすれば良かったと思う?

そう質問して、できる限り答えを待つ。言葉にするのが苦手な子もいるので、間違ってもOK、大丈夫という事も伝えるようにしている。そして、何か褒める。子供は皆、才能の塊だ。それをいかに引き出すか。そして、将棋そのものを楽しんで味わってほしい。

いつもそんな事を考えながら共に学んでいる。

終わってから何人かと談笑。直接盤を挟む時間がなくても、こういう時間も大切だと思う。さらに親御さん達とも談笑。仕事以外にこのような「場」があることは幸せだ。

 

そこから、中華料理を食べて将棋のまちのスターバックスコーヒーへ。

外の席はどうやら今日も空いているようだ。

さっそく駒を並べる。


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 前回に引き続き、絶品のクールライムを注文。美味い。爽やかそのものだ。横であべしん君も喜んで飲んでいる。

その時だった。

「すいません」

女性の美人店員さんだった。瞬間、怒られる!と思った。どうやらあべしん君も同じ気持ちだったようだ。身をこわばらせている。

しかし、その美人店員さんは怒るどころか、将棋をする事を快諾してくださったのだ。

有難い、感謝。素直にその感情が湧いてきた。「絶対怒られると思ったわ~」

安堵する我々。それから数分後。

「すいません」

ん?この声は…

先程の美人店員さんが再登場。なぜ???

「私、店長の○○と申します」

深々と礼をされて名刺を渡される。

どうやらスタバで将棋をしている人を初めて見たらしい。そして、それがとても嬉しかったの事。あまりの出来事に私は呆気に取られている。その間、あべしん君がブログのいきさつや将棋への想いをしっかり話してくれた。持つべきものは頼もしい後輩だ。

「なんかえらい事になってきましたね」

「本当にそれな。やばくね( ̄▽ ̄;)?」

そもそもの流れは、あべしん君竜王獲得→全国慰労会→スタバで将棋→あべしん君のブログをNHKさんが読む→再びスタバで将棋→店長さんから名刺を渡される←NEW!イマココ

 

これからますます楽しくなりそうな予感。

笑いと楽しさは波及する。

本当に楽しみ。

というわけで、あべしん君。

今日の詳細と続きは任せた笑

http://abcnshogiblog.com/

スターバックス天童店様、本当にありがとうございましたm(__)m

 

 

 

明日は子供将棋教室指導とスタバ研(予定)

すっかりあべしん君と共に、私もブログ勢の仲間入りである。

先週の土曜日、子供教室にNHKシブ5時の美人さん二人が取材に来られていた。水曜に引き続きだったので、熱心さに驚きつつご挨拶。美人に挨拶は鉄則?である。

私「お疲れ様です、熱心ですね」

美人さん「あ、○○さんですね!」

私「な、なぜ私の名を?」

美人さん「あべしんさんから聞いたんです~」

あべしんブログの影響たるや恐るべし…笑

なんでも、彼のブログを読んでスタバで将棋をしている人がいる事を知り→若い人(実際はおっさん笑)だったので気になった→スタバに行って、窓に駒の形が描かれているかを確かめに行った、という程の熱心ぶり。いやはや素晴らしいし、本当に有難い。

 

というわけで、明日も仕事が終わってから指導に行く予定。時間は短くても顔を出すことだけでも十分意味があると思っている。そうやって、少しずつ子供との心の距離も縮まるといいな。

元々、昔はここの生徒だったのだが、大人になって指導する立場になった。指導といってもこの体たらくである。先生という柄でもない。それに比べ、他の先生方は人生経験も豊富で立派な人格者ばかり。

ある日、思わず親友にこうこぼした事があった。

「他の先生方はみんな立派な方ばっかりなんだよなぁ」

「立派?お前は煩悩の塊だろ。そして、典型的なキモオタでドルオタ(アイドルオタクの意味)」

「おい、誰がそこまで言えって言った( ̄▽ ̄;)」

「まあ、でもお前ほど人生を謳歌してる奴もいないけどな

「やっぱり?毎日楽しくてさ~♪ヽ(´▽`)/Perfumeのライブとアイドルの握手会に行かなくてなんのための人生だよ!また東京で握手会あるんだけどさー←長いので以下略」

「将棋はどこいった、お前本当のアホだろ笑」

義務感を抱きながら指導していた時は、どこか重苦しい雰囲気があった。子供は敏感にそれを察知する。しかし、今は将棋を心から楽しんでいる。前にも話したが、楽しさと笑いは波及する。それに反応してか、最近は少しずつ子供から話しかけられたりするようになった。子供に好かれている、と思っていたがどうやら錯覚だったようだ。一緒にじゃんけん将棋をした辺りから、どうやら同レベルの人間と思われただけらしいσ( ̄∇ ̄;)笑

 

とにかく今、この瞬間を楽しむ。明日が楽しみだ。

 

 

「3月のライオン」と神木隆之介さん

私は「3月のライオン」が大好きだ。

いろんな人に「3月のライオンって知ってますか?アニメと映画にもなってるんでぜひ!」と勧めている。将棋は分からないけど、3月のライオンは知ってるよという話を聞くと本当に嬉しくなる。じゃあ本将棋もぜひ!と、そこから将棋の魅力を延々語ることになるのだが笑

羽海野チカ先生の描くキャラクター、世界観。本当に素敵だと思う。羽海野チカ先生の原画展の感動は今も忘れられない。

特に好きなキャラクターは山崎順慶五段。

自分と容姿が瓜二つな事に加えて、「回り道」している点なども重ねあわせてみたり…

3月のライオン」に何度も励まされ、勇気をもらったこと。そして失敗から立ち上がり前に進めたことか…

羽海野先生に心から感謝の気持ちで一杯です。

そして、映画「3月のライオン」前編を2度、後編を1度鑑賞。普段、そんなに映画は観ないがこの作品だけはどうしても映画館で観たかったのだ。よくぞこれ程の作品を…感謝、感激、感動。心から喜びの感情が沸き起こってきた。特に後編のラストシーン。自然と涙が溢れてきた。それと同時に将棋への感謝、この映画に携わった全ての人への感謝。

「本当に将棋やってて良かったなぁ…」

全身が幸福感に包まれたことを昨日の事のように覚えている。Blu-ray発売までは、3月のライオンビジュアルブックで楽しむことにしよう。

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神木隆之介さんといえば、今年の人間将棋は凄かった。神木さん効果で入場者がなんと例年の4倍。長年見てきたが、こんな事は記憶になく関係者一同ビックリ。さらに、快晴と桜満開。人間将棋の時は、桜が散っていることが多い。更に、天候は雨または雪!!の時もあり、これ程の好条件は本当に珍しかった。
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そして、大友監督と神木隆之介さんの登場シーン。私は黄色い声援というものを初めて知った。言葉では聴いたことがもちろんあったが、体感したのは初めて。Perfumeのライブではほとんどが野太い声である。(自分含む笑)

「神木君」ではなく「神木くぅ~ん!!」だった。分かりますよ、その気持ち。実に分かるなぁ。憧れの人が目の前にいると我を忘れますよね。

実際、生で見た神木隆之介さんの爽やかさといったら。イケメンすぎて飛び上がった。

これは女性ファンは虜になるよなぁ。徹夜組が出たのも納得だ。1人で合点したのであった。

 

7月13日、木曜日。

仕事が終わってから帰宅すると、何やら見慣れない筒が。怪訝に思いながら手に取ると、伝票には「3月のライオンポスター在中」の文字が。まじか!嬉しすぎる!!そういえば、アンケートに答えて応募したなと思いながら開封。すると…こ、これは!Σ( ̄□ ̄;)


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か、神木隆之介さんのサインが入っているではないか!!!!なんと有難い…

そこからの私の興奮は皆様のご想像通り。

さっそく部屋に飾ってご満悦。

「もっと、将棋の魅力を発信しなさい」

これは将棋の神様からのメッセージなのかな、ポスターを見つめながらそんな事を思った。





 

 

加藤一二三先生(ひふみん)講演会最終回「50年」

いよいよ講演会も終盤にさしかかってきた。

この間、加藤先生はしゃべりっぱなしである。

そのバイタリティーは本当にすごい。

「私は1982年の7月31日に名人を獲得しました。これが最も嬉しかった出来事です。最後の一局は95%負けている内容でした。神様の恵みだったと思っています」

この将棋は「加藤一二三名局集」にも載っているが、

本当にすごい将棋である。最後の詰みは、加藤先生の名人獲得を祝福するかのような絶妙な配置で感動的なものであった。初めて名人に挑戦されたのが二十歳の時。それから22年での載冠。情熱を持ち続けて挑戦されるのは本当に

偉大な事だ、と改めて思った。

そこから信仰の話へ。まもなく終了の時間が迫ってきた。

もっと加藤先生の話を聞いていたいな、そんな思いにかられた。

主催者の方がマイクを持った。

「それでは、何か質問がある方は挙手を・・・」

きた!電車の中で質問を考えてきたのだ。しかし、右手は

ピクリとも動かない。緊張で頭が真っ白になってしまったのだ。ためらっている内に何人かの手が挙がり、ついに私に手番は回ってこなかった。というよりは勇気がなかっただけなのだが。軽い自責の念と後悔が襲ってきたが後の祭りだ。

藤井聡太先生についての質問で、

「藤井四段は秀才型の天才だと思っています。でも僕は勉強してない天才なのね」会場が大いに沸いた。さすがは加藤先生である。

「我々の世代は情熱を込めて戦ってきました。私の指した対局は50年経っても感動を呼びます

力強く断言する加藤先生。隣の聴講者の方がそれを聴いて、小さく拍手し続けていたのが印象的だった。

最後に面白エピソードを。

升田先生と一緒に偉い方を訪ねる時の事。

加藤先生はわずかに遅刻してしまったらしく、升田先生から一言。

「加藤君、僕を待たせたのは君だけだよ」会場爆笑。私は盛大に吹いた。やはり大物は違う笑

また12歳の時に升田先生vs大山先生の記録を取った時の事。「記録を取りながら二人の似顔絵を書いてた事がありました←最高の笑顔」

加藤先生お茶目すぎる!どんな似顔絵か気になったのは私だけではあるまい。会場みんなでニッコリ。そこで加藤先生から、

「僕はまだ大丈夫なんだけど、時間どうですか?」

主催者の方が申し訳なさそうに、「先生、あのお時間が・・・」すでに35分オーバーしていたらしい。

「あ、はい。そうですか。はい。ではこのへんで」

参加者72人、11歳から89歳。遠くはなんと神奈川!から来られた加藤ファン全員から惜しみない拍手が送られた。

そこからはサイン会とツーショットの写真撮影。

サインはなんと為書きである。

予想通り長蛇の列ができた。

自分の番が近づくにつれ、どんどん緊張がましてくる。

心臓の鼓動が早くなるのを感じた。その時、遠くから

「私、嬉しくて手の震えが止まらないんです」

サインをもらった女性が、運営の方と笑顔で談笑している声が聞こえた。分かりますよ、その気持ち。憧れの方と会ったら感激でそうなりますよね。私の頭に浮かんだのは、女優さんやアイドルの握手会、そしてPerfumeのライブである。そんな事を考えている内に列は徐々に進んでいった。

そして、とうとう私の番になった。

持参した「加藤一二三名局集」を差し出す。

いつも並べてます!加藤先生の将棋は芸術です!!

その想いは、ついに言葉として発する事なく終わった。

緊張しすぎて、言葉どころかまたしても頭が真っ白になったのである。本を持ってツーショットで撮影。本を持つ手はブルブルと震えている。

か細い声で一礼。胸にはまだ動悸と高鳴りが残っている。

一緒に撮影してくださった加藤一二三先生の眼差しは、優しくそしてあたたかった。
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主催者の方にお礼を言って退出。

まだ夢なのか現実なのかよく分からない、ふわふわした

気持ちだった。しばらくサインとメモ帳を見ながらぼんやり。夕方の柔らかい風が心地よかった。

小腹が空いてきたので、やはりここはウナギだろう!と一人大またで闊歩。

だが、お目当てのウナギ店は満席だったので断念。

仙台駅にてだだ茶豆シェイクを堪能する作戦に変更。


やはりこれは好手で絶品だった。

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電車を1本遅らせて、帰途へ。

車窓から見えるかすかな灯り。

加藤先生の情熱の灯りは生涯不滅。そんな事を思い浮かべながら、私は眠りに落ちた。

 

加藤一二三先生(ひふみん)講演会当日③「潜竜」

次はどんな話が聴けるのだろうか。

会場の誰もがワクワクしながら、加藤先生に注目している。

「昭和43年の第7期十段戦第4局で、大山先生相手に一手に7時間考えて勝った事がありました」

私は思わず、目を見開いた。初めてこの将棋を並べた時の深い感動が瞬時に蘇ったのだ。

並べ終えた後、「すげぇ・・・」

信じられないものを見た、そんな思いだった。

「こんなに完璧に将棋って最後まで指せるの?」

首を振りながら、ゆっくりと天井を見上げる。

その答えは加藤先生の棋譜が明確に物語っていた。

「将棋は深いものであり、生涯現役でやっていく自信がわきました。棋士の存在意義を見つけた思いでした」

まさかこの話が聴けるとは・・・メモを取りながら

体全体が喜びにあふれているのが分かった。

しかしこの約1年後、加藤先生は行き詰まり次の一手をどうやって指していいか分からなくなってしまったという。そんな時に升田先生から次のような言葉をもらったそうだ。

「加藤君、君は今スランプだ。でもそれがいいんだ。中途半端に活躍するよりはいい。今に君は誰もが真似できないような活躍をすると信じている」

その言葉と共に色紙に認められた文字は「潜竜」

意味は、池や淵に潜んでいてまだ天に昇らない竜の意。また、世に出るよい機会にまだめぐりあわない英雄。

この話を聴き終えた直後だった。

加藤先生にもつらい時代があったのか・・・

今度は、はっきりと目に涙がたまるのを感じた。

 

私は15歳、中学3年卒業間際に全身脱毛症を発病した。衝撃的だった。アトピーも生後からあったので、この世のものとは思えない容姿になった。

鏡に写るのは変わり果てた自分の姿。

眉毛が最後の1本になった時、

「ついにこれも抜ける時がきたんだな・・・」

筆舌に尽くし難い深い悲しみが襲ってきた。

そんなつらい日々を支えてくれたのが将棋と仲間だった。

それから約5年後。治療や家族や仲間、そして将棋の存在があって完治と呼べるまでに回復した。

「ほんてん(本当に)良かった~。もう1回髪抜けたら生きてくの絶対無理」笑いながら、友人に満面の笑みで語った事を昨日の事のように覚えている。

しかし、それはつかの間の喜びだった。

それから6年後。またしても発病。この時は将棋から離れていたので全てが空っぽだった。

鬱々とした日々。目深に帽子をかぶり、下を向いて歩いた。飲食店に行っても、刺さるような視線が痛くて、帽子を取ることすらできなかった。時に言葉は刃物よりも鋭く心をえぐる。揶揄されてもジッと耐える以外、方法が分からなかった。

それから時が流れて、ふと、また将棋を再開してみようか。そんな想いがわいてきた。

久々の大会参加。そこには見慣れた仲間達の姿が。

口々にしばらく、と声がかかる。

久々に手にする盤と駒は格別だった。

やっぱり将棋が好きなんだな、心から喜びの感情がわいてきた。

再開すると、やはり欲がわいてくる。

県大会で優勝して、全国大会に出たい。

ずっと持ち続けてきた想いが再燃してきた。

県大会の準決勝敗退が5回。高校の個人戦でも県で3位が3度。代表に対する渇望と憧れは大きかった。

そんな中、同世代の仲間や、後輩は次々に優勝を勝ち取り、全国に羽ばたいていった。祝福の言葉をかけながらも、どこか忸怩たる思いがあったのも事実。また、素直に祝福できないそんな自分が嫌だった。

しかし、そんな思いも次第に氷解していった。

時間、仲間、そして将棋の存在そのものが解決してくれたのだ。

今も容姿は変わらないが、病気などどこ吹く風である。毎日がとても楽しくて、幸せだ。

むしろ、初対面の人には絶対忘れられないだろうなどと

プラスに考えている笑

将棋も優勝できるかは分からないが、勝利も敗北も全てを味わい尽くそう。そんな心境だ。

 

自分も、もしかしたら潜竜なのかもしれない。いや、そういう事にしておこう笑 一人で勝手に納得して微笑みながらお茶を飲み干す。その味はかつて感じた事のない、最高の味だった。

続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

加藤一二三先生(ひふみん)講演会当日②「直感と閃き」

続いて、「ノーナレ」と「ETV特集」について話が及んだ。どちらも大好評で大変喜んでいるとのこと。

その中で一番感謝している場面は、行き詰まって、洗礼を受けて打開した所が一番良かった。

そう話される加藤先生の表情は実に力強かった。

そこから話題が転換し、今度は升田先生と大山先生のエピソードへ。

「私は長年にわたり、升田先生から励ましを受けてきました。私が12歳の時、板谷先生と対局している所を升田先生が見て一言。「この子凡ならず」一局見ただけで、私の才能を見抜いた升田先生はやはり天才だと思います」

升田先生の鋭い眼力は流石だ。そしてまた言葉がいい。短い言葉に全てが込められている、私はそう感じた。

さらに大山先生からは「大天才」と言われ、あの大山先生が言うんだからこれは信用していいんだなと。←満面の笑み

一瞬で会場がドッと沸いた。さらに嬉しそうな加藤先生。いよいよエンジン全開である。

「私は直感で浮かんできた95%は正しいと思っています」

直感の話しだ!思わずペンを持つ手に力が入る。95%ってすごいな、メモを取りながら率直にそう感じた。

ちなみに大山先生は85%、羽生先生は70%とおっしゃられたそうだ。加藤先生の身振り手振りと共に、話は続く。

「直感で浮かんできた手と後から浮かんできた手で、どちらを指しても成功しそうな時は最初に閃いた手を選ぶようにしています。そして勝っています」さらに一言。

「パッと浮かんだ手は無心です。将棋は閃きが大事なんです

閃きが大事、という所を加藤先生は特に強調された。

これを聞けただけで、今日は来てよかった。

メモに目を落としながら、自然と頬が緩んだ。

続く

 

 

 

 

加藤一二三先生(ひふみん)講演会当日①「天才の感性」

※主催のNHK文化センター仙台教室様より、公開の許可を頂きました。本当にありがとうございます。

私のメモより、加藤一二三先生の力強いメッセージを抜粋してお届けします。

 

時刻は定刻の13時。

ついにこの時がやってきた。

入り口に加藤一二三先生が登場。

会場は万雷の拍手に包まれた。ゆっくりと一歩ずつ進む加藤先生。私には優しく、あたたかいものが加藤先生を包んでいるように思えた。

その時だった。急に涙腺が緩み、危うく涙がこぼれそうになるのを寸での所でこらえた。自分自身、全く予期せぬ事に驚きを隠せない。

「19年前の事がよぎったとでもいうのか・・・?」

そんな事を考えているうちに、加藤先生が舞台に登壇。

主催のNHK様が加藤先生の体調を考慮されて椅子を準備されたようだ。ゆっくり椅子に座る加藤先生。

最前列でさらに身を乗り出す人、感極まって加藤先生に釘付けの人、本当に嬉しそうな表情の人。そして、ペンをギュッと強く握り締める人。各人が様々な想いで、加藤先生を見つめている。

「えー、あー、はい」

ついに始まるんだ。どうやら胸の高鳴りを抑えきれそうにない。なんて幸せな時間なんだろう。自然と頬が緩むのを感じながら次の言葉を待った。

「今日はNHK様の講演という事で喜んでやってきました」

それに続いて、NHK様には長年に渡り棋戦を主催して頂き感謝している言葉が述べられた。

この時、主催者の方の嬉しそうな表情といったら。

段取り等の苦労がいっぺんに吹き飛んだかのような優しい眼差しだった。

その後、加藤先生が小学一年生の時の事。

花に感動し、「この世の中は素朴で美しくできている」

そう感じたと聞いて、私は驚嘆して深い感動を覚えた。これが天才の感受性なのか!自分が小学一年生の時と言えば、おたふく風邪で入学式をいきなり欠席したり、給食のいかぽっぽ焼きが食べれなくて号泣した記憶しかない・・・笑

 

さらに小学二年生の時にはグラジオラスを見て、

「物事は深く考えるようにできている」と感じたそうだ。

グラジオラスには、花言葉として剣や戦いの準備というものがあるそうで、それを感じとったのかもしれないとの事だった。

さらに地方に生まれて「いい所に生まれた」と感じたそうである。

将棋界の後輩棋士にどんな花が好きかと聞くと、だいたいが「ノーコメント」

そういうのに感動するのは小学生の加藤先生が只者じゃないからです、と言われるんですと満面の笑みの加藤先生。

つられて笑う会場の面々。徐々にエンジンがかかってきた加藤先生。私はペンを走らせながら、心があたたまるのを感じた。 続く