回り道~3度の飯より将棋が好き♪~

将棋のエッセイや戦術、私の日常について綴っています。

ノーマル四間飛車VS銀冠穴熊②


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じっと△73桂馬と力をためられて、どうにも模様が芳しくない事に気づいた。プラスになりそうな手が1つも見当たらないではないか。うーん…画面を凝視して思わず長考に沈む。さて、どうしたものか。こちらは現在の布陣が最善形なのでどれも動かしたくないのが正直な所。だが、現実に手番を握っているのは私だ。悩みに悩んだ挙げ句に選んだのは▲18玉。端攻めを放棄する代償に、戦場から玉を遠ざけた。ただし、善悪は微妙。苦渋の決断だったと言える。

それに対して猛者は△44歩。


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これを仮に▲同歩と取ったと仮定しよう。

以下△同角に▲45歩△33角と進んだとする。


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何気ない手順かもしれないが、この局面は振り飛車大損である。なぜか?理由はいくつかある。

1つは猛者側の歩が4筋に自由に使えるようになったことだ。具体的には後の46歩の叩きが急所。43歩のままだったら、当然ながら44にしか歩は進めないが、持ち駒になった事で46の地点に使う事が可能となった。これは、43の歩が46の地点までワープした計算になる。しかもそのタイミングは、対局者が自由に選べる。まるで、手品のようだ。46に金を誘えば、57の空間に角を打つ筋が生じそうだ。

さらに歩を持ち駒にしたことで、攻めのバリエーションが広がった。7、8筋方面で角頭を攻めるのに役立ちそうである。

そして、持ち歩の数がこちらは0で猛者は1枚。この差は見た目以上に大きい。

細かい所だが、この辺の感覚がつかめれば一気に将棋が面白くなると思う。

よって私は△44歩を取らずに▲75歩と反撃。

それに対して△86歩と突いてきたのが下図だ。


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歩がぶつかりすぎてわけわからんσ( ̄∇ ̄;)

だが、この展開は穴熊側が望むところ。

なぜなら、戦いが激しくなれば玉の堅さがもろに響いてくるからだ。

穴熊戦では端攻めが心の拠り所なのだが、今回はその切り札も使えない。銀冠穴熊は上部に厚い上に、横からの攻めにも隙がない。

ここからの数手が勝敗に直結する重要な場面だ。私は気合いを入れ直して、迎え撃つ覚悟を決めた。

続く

 

ノーマル四間飛車VS銀冠穴熊①

珍しく?将棋の記事である。

将棋ウォーズにて、無敗の猛者と遭遇。

ラッキー!無敗を止めるチャンス!!と意気込む。かつてのエース戦法、ノーマル四間飛車を採用。対して猛者は流行りの銀冠穴熊

そして迎えた中盤戦。


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△73桂馬で後手陣は全軍躍動。

これは…私は長考に沈んだ。

続く

 

 

いろいろな事

書きたいことがたくさんありすぎるので、箇条書きにします。

 ①東北ココからの阿部健治郎先生の特集が

最高だった。本当に全国放送してほしい。

山形だけではあまりにももったいない。

随所に健治郎先生の語録が出て来て、ファン垂涎。スクリーンショットもたくさんしたのに、なぜブログに載せなかったかというと、著作権の事があるから(´・c_・`)

映像で見る健治郎先生の所作は本当に美しかった。谷川先生の対局姿や所作の美しさを継承するのは、健治郎先生だと個人的に思っている。

②エカテリーナちゃんとオレグさん

前編に続き、後編もとても楽しかった。

名旅館「滝の湯ホテル」も満喫された模様。

この滝の湯ホテルに大会の前日に宿泊した輩あり。だがあまりの素晴らしさに温泉気分になり、翌日惨敗したそうな。完全に蛇足です笑

エカテリーナちゃんとオレグさんの活躍を心から祈念。

③小中高生県大会

いろいろなドラマがあった。本当に一言では語り尽くせない。負けた選手にはこれが幸運のきっかけになるかもしれないと言いたい。

敗れて初めて敗者の気持ちが分かり、優しくなれる。それはこれからの人生においても、固有の素晴らしい財産だと思う。私も負けてたくさん泣いた。その時の経験は今も大切な宝物だ。どんなに強い人でも必ず負ける。ぜひこの経験を次に繋げて、今度は自らの手で道を切り開いてくれ。

代表になった選手は、結果云々より自分を信じて全力を出しきってほしい。それが敗れた選手に対する責務だと思う。

敗者にも勝者にも心からのエールを。

将棋は結果として「勝敗」がつくけれども、人生という視点に立てば実はどちらも勝者かもしれない。

④あべしん君

山形新聞の自戦記はとても面白かった。

そして今日のブログ。

https://twitter.com/absn11/status/1006843977893535745?s=19

毎回、着眼点の鋭さと読みごたえには舌を巻いている。

情熱を持った同士とは心強いものだ。

お互い楽しみながら続けていこう。

⑤今日は久しぶりに水曜教室へ。すると、ダイヤの原石と遭遇。この時の胸の高鳴りは指導者特有のものだろうか?他にも有望な才能がたくさんいて、心踊るものがある。

しかし、伸び悩んでいる子供がいるのも事実だ。一生懸命毎回通ってくる子供で、伸び悩んでいると尚更気になる。限られた時間で全員と対局できるわけではないので、歯がゆさも感じるのが正直な所。

 ⑥昨日、試験的に教え子とネット対局をして電話で感想戦をしてみた。

結果は「手応えあり」

 今、私が行っている個人指導は相手のお宅に直接伺う訪問型の将棋講座。遠方の人や、自宅に来られるのはちょっと…という方には扉を開けれずにいた。

だが、これなら上記の方ともご縁ができる可能性あり。引き続き検討してみたい。

⑦今年の3月からヨガ教室に通い始めた。

新しい環境に入る時は、やはり緊張する。

将棋教室に新規入会する子供の気持ちが、ちょっとだけ分かったような気がする。

月3回で1回のレッスンは1時間なのだが、ものすごく気分転換になる。

日常生活とは違う所に身を置くというのは、とても大事な事だ。そして、講師の先生がとても魅力的である。(男性です、念のため笑)

私もあやかりたいものだσ( ̄∇ ̄;)

Perfumeのニューアルバム発売&アリーナツアー決定!!!!

今年の2月の幕張メッセでのファンクラブ会員限定ライブでは、The best thingを生で聴けて感涙。そしてあれからはや4ヶ月。ビッグニュースが飛び込んできた!

8月にアルバム発売、9月からは全国アリーナツアー!!

遠征バンザーイ♪ヽ(´▽`)/

また忽然と姿を消す可能性が浮上中笑

 

⑨最後はこれからの夢について。

1つは地元で将棋教室を立ちあげること。

もう1つは、電子書籍を出版すること。

内容はプロ棋士の先生方とお会いした時のエッセイ等。

本屋に行く度に、「絶対に自分にも生涯1冊は本が出版できる」と思い続けてきたので

絶対に実現する。

 

他にも書きたいことがあるが、ひとまずはこんな感じで。

 さて明日の朝になると冷静さを取り戻して大幅に削除してしまいそうなので、今すぐに更新してしまおう。で、後から後悔するいつものパターン笑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

阿部健治郎先生特集

本日19時半より、東北ココからで阿部健治郎先生の特集がNHK山形にて放映される。

30分の番組で、健治郎先生にずっと密着取材されていたようだ。その熱意は健治郎先生も「一体いつ休んでるんですか」と苦笑いしながら、舌を巻くほど。ちゃんと休んでますよ~と笑顔で答える取材陣の方々は、ものすごくいきいきとしていて元気溌剌。そして、健治郎先生の魅力を余すところなく伝えたいという情熱と気迫に溢れていた。

一体どんな番組に仕上がったのだろうか?

本当に楽しみだ。

今日は絶対に定時で帰るぞ笑

世界!ニッポン行きたい人応援団②「エカテリーナちゃんとお父さん」

師匠のH先生や仲間からYouTubeでも視聴できることを教えていただき、さっそく接続。

https://www.youtube.com/watch?v=0mItNPurr2k

映像を観たら、記憶が甦ってきて涙腺がほろり。まだ1ヶ月少し前の出来事なのに、随分と遠い昔の出来事のように感じた。

出演していたH夫妻は昔からの顔馴染みで、三兄弟は私の教え子。他にも天童支部長に、O先生、天童将棋教室の子供達も出演。私は自由対局コーナー担当だったので、一瞬だけ映りこんでいた模様。なので、泣いた現場も目撃。「エカテリーナちゃん、大丈夫!俺も将棋で負けた時は人前でもよく泣いてたよ…しかも中学2年生まで。これから絶対強くなるよ!」と心の中で応援。その後の再戦を初手から観ていたが、今度は見事な内容で勝利!ただひたすらに、自分の事のように嬉しかった。

テレビの構成も見事で終始(*´∀`)←こんな顔で目尻を下げ、笑いあり、涙ありで楽しみながらあっという間に1時間が過ぎた。

実は私もH夫妻のご自宅で、エカテリーナちゃんと2枚落ちで対局してその様子も撮影していただいたのだが…尺の関係で全てカットにσ( ̄∇ ̄;)笑

テレビ東京の担当の方から連絡があり、「大変申し訳ないのですが…」との事。

苦笑いしながら、彼女と対局した場面がくっきりと頭に浮かんできた。

エカテリーナちゃんと盤を挟んで感じた事は将棋に対する真剣な姿勢と、心から将棋が大好きだということ。そして将棋そのものの恵まれた才能。特に攻めのセンスが抜群で、これからが本当に楽しみだと思った。

対局後は通訳の方も交えて感想戦もしたのだが、私の言葉を一言も聴き漏らすまいとするその姿勢と瞳がとても印象に残っている。

お父さんのオレグさんは、本当にあたたかくて素晴らしい方だった。終始、私の目をじっと見て、アドバイスに耳を傾けておられた姿が今も目に浮かぶ。名刺を手渡した所、何回も感謝の言葉を述べられ大事にしまっておられた。

逆にこちらもなんだか嬉しくて、少し気恥ずかしかった。

エカテリーナちゃんとお父さんのオレグさん、元気にしてるかなぁ。

一期一会とはまさにこの事。

来週の後編も今からとても楽しみ。

 

 

世界!ニッポン行きたい人応援団①

今日の20時からテレビ東京さんで放映されるようです。


世界!ニッポン行きたい人応援団 | テレビ東京

北尾まどか先生がTwitterで呟かれていました。

https://twitter.com/nemurineko/status/1003270317312077826?s=19

そして、遠山雄亮先生が引用ツイートされておりました。

https://twitter.com/funnytoyama/status/1003274603488137216?s=19

エカテリーナちゃんとお父さんが将棋を楽しむ様子と、教え子と対局した様子がどう描かれているのかとても楽しみです。しかし…山形はテレビ東京が映らないので、再放送に期待します笑σ( ̄∇ ̄;)

 

「奴」再び

「相変わらず冴えないわね」

「うるせー、余計なお世話だ」

「だって本当の事じゃない」

ケラケラと楽しそうに笑う一人の女性。今はどこかで元気にしているだろうか。

なぜかそんな事を思い出したのは、今まさに自分が「冴えない」からかもしれない。

はぁ…自然とため息が出た。

こんな時はあそこに行くか…頭に思い浮かんだ場所とは…

いつもの足湯、駒の湯に行こう。



仕事を終えて一路天童へ。

辺りはとっぷりと暗闇に包まれ、足湯からはもくもくと湯気が出ている。

誰もいないといいんだけどなぁ。

そんな願いも虚しく、湯気の向こうに人影を確認した。

「やっぱり来たか」

ん!?もしやこの声は…

湯気の向こうから「奴」のシルエットがくっきりと浮かび上がった。

「久しぶりだな」

よりによってこんな時に…ついてねーな、全く。私はあからさまにため息をついた。

「なぜお前がここにいる?」

乱暴に「奴」の隣に座りながら質問をぶつける。

「俺が足湯に入ってちゃ悪い決まりでもあるのか?」

ふん、と鼻を鳴らしてそっぽを向く。

「昨日は惨敗したんだってなぁ。またしても千載一遇のチャンスを逃したわけか。でも、「今の」お前なら当然の結果だろうな」

一瞬で頭に血が上る。

「貴様!もういっぺん言ってみろ!」

今にも殴りかかりそうな私を横目に、「奴」は笑顔になった。

「怒気をはらんだ良い表情じゃねーか、それだよそれ。感情が動かねーだの寝言ほざきやがって。全く手間のかかる野郎だ」

コイツ…

それから脳内将棋盤で昨日の将棋を検討。

将棋盤がないのに、符号で話している我々を

カップルが不思議そうな目で見ていた。

それにしても、だ。「奴」は私の読みのことごとく上をいった。さらに腕をあげたというわけか。本当に強くなったな。いいや、この言葉だけは絶対に言うまい。私はその言葉を胸にしまいこんだ。

 

検討が終わり、しばしの静寂。湯が注がれ続ける音だけが辺りに響いている。

静寂を先に破ったのは「奴」の方だった。

「なんでさっき「今の」お前なら負けて当然って言ったか分かるか?」

そうだ。さっき、確かに、お前ならではなく、「今の」お前なら負けて当然と「奴」は言った。一体どういうことなんだ。私はその真意をはかりかねていた。

「技術じゃない、問題は今のお前の心だ」

心だと…?さらに「奴」は言葉を続ける。

「日曜のブログ、あれは本心なのか?ヘラヘラヘラヘラと…実に不愉快千万だ。仮にもお前は地区の代表だぞ?お前なんぞに負けて、本選に出れなかった選手の気持ちを考えた事があるのか?」ここまで一気にまくしたてた「奴」の顔は真っ赤だった。

黙っている私。何も言葉が出てこなかった。

「今のお前は単なる腑抜けだ。そのお前が先生だと?笑止!それも風の噂によれば、いつもニコニコ優しい先生らしいな。この自己満足、自己陶酔野郎が!子供達に腑抜けがうつる。頼むから普及から手を引いてくれ」

「一体お前は何様だ!!」

一触即発の空気に辺りが包まれる。

近くの田んぼからは、カエルの大合唱が響いてきた。一体どれくらい時間が経っただろうか。

「春夏秋冬、四季折々。」

「何が言いたい?」

「時間と共に季節が移り変わり、姿を変えていく。それが自然の姿だ。人によって季節の好みがあるかもしれないが、春は春。夏は夏。秋は秋。冬は冬。ただそれだけだ。良いも悪いもない。それを感情に置き換えてみろ。」

私はハッとなった。そして、小声で喜怒哀楽と呟いた。

「どうやら気づいたようだな。喜び、怒り、哀しみ、楽しみ。それが本来の人間の自然な姿だ。それがいつもニコニコだと?そんな馬鹿な話はありえん。気味が悪い」

さらに「奴」の言葉は続く。

「よーく思い出してみろ。お前の記憶に残ってるのは優しくていい人か?それよりも本気で叱ってくれたり、一緒に泣いたりしてくれた方じゃないのか?本当の意味で子供や仲間と心が触れあえるのは「本来のお前自身」を取り戻して表現した時だ。病気は、今のお前の生き方や考え方が間違っている事に対しての最終警告だ。ストレスのせいにして、自分と向き合わなかったらお前は本当にいよいよ終わりかもな。そもそも「ストレス」の姿を見た奴がこの世にいるか?正体不明だ。原因はお前の内側にしかない。そして、自ら克服するしかないんだ」

呆気にとられている私を見ながら、何か思い出したようにポケットから何かを取り出した。無言で差し出す「奴」

こ、これは…!!しかもなぜお前がこれを…

「お前は人の話を全く聞かねーからな。俺の言葉よりこっちの方がよっぽど説得力あるだろ。もし会えなかったら、そのまま持ち帰るつもりだったがな」

その1枚の紙を見ながら、私はまじまじと「奴」を見た。

さてと、そう言って「奴」は腰を上げた。

「そうだ、最後に言っておきたい事がある」

今度は一体なんなんだ…私はゴクリと唾を飲み込んだ。

「お前…いつも同じ服だな。みてくれも中身もいけてねーんだからせめてオシャレぐらいしろよ。まあ、元が元だから無駄な努力か」

!Σ( ̄□ ̄;)なんでこんな短期間に同じ事を言われにゃならんのだ…

日曜の詳しいエピソードを告げると、「奴」は大笑いした。「そりゃ傑作だ。そのガキは見込み十分だな。まあ、心で思っても口に出して言って良いことと悪い事もあるんだけどな」

「その言葉、そっくりそのままお前に返してやるわ!」

爆笑する我々。

「人に楽しめって言う前にお前自身がもっと楽しめよ。それからさっさとお前の最大の才能に気づくことだ。そしてそれを磨け。じゃあな」

最大の才能ってなんだ…?

首を傾げていると、ゆっくりと「奴」は振り返った。

「もちろん分かってるとは思うが…最大の才能は将棋じゃねーぞ。はっきり言って、お前の将棋の才能は0だ。ただし、指す方の才能に関しては、だ」

そう言ってニヤリと笑い踵を返すと、あっという間に漆黒の闇に姿を消した。

0だと…全くなんて野郎だ。

しかし、嵐が過ぎ去った後のような、清々しい晴天が心に広がったのも事実だった。あいつには一生勝てないかもな、そんな想いと共に私は身支度を整え始めた。