回り道~3度の飯より将棋が好き♪~

いつも読んでいただきありがとうございます。現在、休憩中のため更新が滞っておりますm(__)m

かなきち道場 

天下一将棋会雷帝こと、リアルでも全国優勝経験多数の木村氏の研究動画。

その名も「かなきち道場」

天下一で何度か教わった事があるが、その強さまさに「異次元」

攻めのスピードと破壊力が分厚すぎて、ついたあだ名が「ブルドーザー」

ちなみに、私はきれいに平らにされました笑 

 

最近はいろいろな戦型の主に序中盤の戦い方についてアップされてる模様。エルモ囲いは特に面白く、参考になりました。強くなりたい方はぜひ!!
かなきち道場 エルモ囲い右銀急戦 徹底研究。 - YouTube

今年も残りわずか。

本当にいろいろな事があった濃密な1年。特に、出会いに恵まれた事についてはとても嬉しかった。

 

今日は、昨日に引き続き、将棋世界2月号を熟読。畠山先生と斎藤先生の対談記事は初めて知るエピソードが満載で本当に良かった。

構成・写真を担当された野澤亘伸氏は、情熱的な方だ。今年の6月に天童で開催された名人戦に来られており、縁あって知り合う事が出来た。

著作「師弟 棋士たち魂の伝承」は野澤氏による傑作だ。これについて話を伺った所、取材にものすごく時間をかけて、綿密に準備をされたそうだ。と、同時に取材に応じた棋士の先生方に深く感謝していますとの事だった。

まだ読まれていない方には、ぜひオススメしたい。

もう1冊読んだ本は、今泉健司先生の

中飛車の新常識」だ。

帯と前書きに「魂」という言葉が出てくるが、読みながら今泉先生の情熱が伝わってきた。特に自戦記は楽しく読ませていただいた。盟友のあべしん君が絶賛していたのも納得。繰り返し読んで、中飛車を学んでいきたいと思う。こちらもぜひオススメしたい。

 

今年印象に残った出来事は、将棋

関係ではずばり、「二千局盤来」だ。

参加者は遠くは北海道から福岡まで全部でなんと、4760人。老若男女、様々な人達が天童に終結した。当初は人がなかなか集まらず、記録達成は困難と思われていただけに、感慨深いものがあった。屋外開催だったので心配された天候も快晴と絶好。

私は専門家証人という立場で運営として参加。要は、対局が終了したかを判断する仕事である。担当したのは120面、240人。

ギネス公式審査員の方の

「スリー、ツー、ワン、Go!」の掛け声と共に、4760人が一斉にお願いしますと一礼。 

その光景を見た瞬間

「………!!!!」

言葉にはならない熱い感動が沸き上がってきて、私もお願いしますと一礼。

あの光景は一生忘れられないだろう。

対局はあっという間に次々と終局。至る所で、「終わりましたー」と手が挙がり、てんてこ舞いに。終局図は様々で、1手詰めまで指している方が非常に多かった。次に多かったのが王手見逃し。角の王手をうっかりされた方々が多かったようだ。中には、「え?この終局図は途中何があったのσ( ̄∇ ̄;)?」と思わず聞きたくなるような対局もあり、認定をしながら苦笑い。規定の1時間が過ぎ去る頃には秋なのに汗だく。しかし、これ程気持ちのいい汗は今後ないかもしれない。

そして、見事に2362局の新記録達成!!


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今も、大歓声と拍手や喜びの声が脳裏に焼き付いている。私は対局者として参加していた友人の飴と喜びを分かち合った。

これをきっかけに将棋を楽しむ人がもっともっと増える事を、心から願っている。

 

そして、今年1番印象に残ったことは…

尿管結石になった事σ( ̄∇ ̄;)笑

笑ってつけたけど、まじで全く笑えなかったです、まじで笑笑

これ、読者の中に経験された方はいるんだろうか?筆舌に尽くしがたいどころか、今まで生きてきた中で超ダントツに痛かった。(失恋の痛みも含む笑笑)

本当に、まじで痛かったです。まじで。

うー、書いてたらいろいろと思い出してきた(ヾ(´・ω・`)

来年の作戦は、体大事にだな、うんσ( ̄∇ ̄;)

 

というわけで、今年もたくさんの方々に大変お世話になり、本当にありがとうございました!感謝してます。

また来年もよろしくお願いいたします。

それではよいお年をお迎えください。

 

 

 

広瀬章人新竜王

竜王戦が決着してから約10日あまり。

広瀬章人竜王の勢いが止まらない。

順位戦王位戦と連勝して今年の対局を終えられた。36勝11敗、勝率7割6分6厘は驚異的な勝率だ。

年明け早々には豊島二冠との順位戦があり、さらに棋王挑戦と今後の活躍から目が離せない。

 

広瀬先生といえば、当時の深浦王位に挑戦した第51期王位戦での大激戦が印象深い。四間飛車穴熊を連採し、見事に4勝2敗2千日手で王位を獲得。決着局となった第6局は、将棋大賞の名局賞にも選ばれている。

私自身、四間飛車穴熊はとても愛着があり、長年主力として苦楽を共有した間柄。

それだけに広瀬先生の活躍は嬉しく励みになった。

 

指し回しはもちろんだが、何より驚いたのがその駒組である。

穴熊にする場合、▲28銀とハッチを閉めた後は、▲39金までがセットだという概念が私にはあった。しかし広瀬流は、その39に金を寄せる1手を中央に使い、先行を狙い積極的にリードを奪いに行く。

私の中では升田幸三賞である。一生かかっても浮かばない構想に感動し、心酔した。

そして、王位獲得後に程なくして「四間飛車穴熊の急所」と「広瀬流四間飛車穴熊勝局集」が出版された。

どちらも面白すぎて、むさぼるように読んだ。特に勝局集は前書きを音読し、全50局を暗記するほど、盤に並べて何度も何度も再現した。その度に新しい発見があり、将棋の面白さを再認識したものだ。

また、以前に出版された「とっておきの相穴熊」はアマ強豪の遠藤正樹氏との共著でこれも名著であり、非常にオススメしたい1冊だ。

そんな事をいろいろ考えていたら、

当時の様子がまた知りたくなり将棋年鑑を紐解いてみた。

すると、1局の棋譜が目にとまった。

王位戦の挑戦者決定戦の羽生先生との将棋だ。この将棋は有名な▲22馬が炸裂した将棋、と言えば思い出される方もいるかもしれない。

ハイライトはこの場面だ。

平成23年将棋年鑑239ページ▲広瀬章人五段対△羽生善治名人(肩書きはいずれも当時)より棋譜の一部を引用」

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今、羽生先生が△47馬と金を取った所。

これに対して▲同銀は△57金があるので、私は▲同馬の1手だと思っていた。

ところが、広瀬先生は24分考えて▲同銀。え!?△57金にはどうするんだろう?羽生先生は△57金を選択。それに対してノータイムで▲55馬。銀がただなんだが一体これは…


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そして、羽生先生が△47金と取った場面。ここからまたもノータイムで▲22馬が鮮烈な一着。天王山の馬を捨てて、△同金に▲31銀。55角との連動もあり、一気に寄り筋に。一瞬の出来事に言葉を失った。

以下も流れるような手順で即詰みに討ち取り、制勝。

また、広瀬流の四間飛車が観れる日は来るのだろうか。楽しみは尽きない。

 

実は、広瀬先生とは5年前にお会いした事がある。子供大会の審判長で来県され、その時にお話しさせていただいた。

当時、四間飛車穴熊勝局集はいつもカバンに入れて持ち歩いていたので、感想と感謝を伝えると、広瀬先生の相好が崩れた。

「それはとてもありがたいですね。良かったらサインしましょうか?」

いいんですか?と驚く私をよそに、

「もちろんです。」

筆ペンを丁寧に、ゆっくり運び、文字を綴る広瀬先生。

私は緊張した面持ちと興奮でそれを見つめていた。

どうぞ、と言って渡された本に書いてあった言葉は

「飛躍」

一生の宝物となった。

その後、広瀬先生の指導対局を観戦。

柔らかく、丁寧に駒を運び、ほとんど駒音を立てずに指されていた。

子供へのアドバイスも優しく、褒められた子供は皆、とても嬉しそうな顔だった。

 

その後は、より一層広瀬先生の本を読み込み、四間飛車穴熊をエース戦法として確立。県内はもとより、他県の強豪とも互角に戦えたことは大きな自信となった。

最後に昔撮った四間飛車穴熊の動画を紹介。

対戦相手の魚鱗さんは、元大阪竜王名人、その他代表多数の超強豪。

え?紹介するからには勝ったのかって?

ハハハ、そこは動画をご覧いただけたら幸いですσ( ̄∇ ̄;)笑


[中級者向けVS天下一将棋会のスーパースター - YouTube

 

 

 

大山杯・アマ王将南東北予選⑦「暗転」

図は△35歩まで
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猛追を受け、リードが完全に消えた。△35歩に対して▲同馬は△58歩成がある。
「まずい…流れが悪すぎる…」
力なく▲14馬。後手はノータイムで駒音高く△23銀!馬に当てながらただ捨ての鬼手を放ってきた。
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「なぬ!Σ( ̄□ ̄;)」
まさか32の遊び銀が活きてくるとは…
時間切れ寸前で▲同馬。
後手は待望の△58歩成。
「そんなバカな…68歩の叩きは取っておけば良かったか…」
秒読みで反省したら終わりである。無機質なブザー音が容赦なく迫り来る。
手が見えない!私は慌ててある駒をむしり取った。
そう、決して触れてはいけない45にある桂馬を。
後手は残り2秒まで考えて、落ち着いた手つきで△同飛車成。それから駒台を丁寧に並べ直した。
そして、ずっと前のめりだったが、スッと背筋が伸びた。それと私の肩がガックリと崩れ落ちるのがほぼ同時だった。
もう、この将棋は…勝ちがない。
例えるならば、雨の日も風の日も、じっと耐えて丁寧に育ててきた大切な花が、開花間近で根本から折れてしまう感覚。
しかも折ってしまったのは自分、たった一手のミスで。全ての責任は私にある。
投げきれずにひたすら指す。ただひたすらに。
いよいよ私の玉に必至がかかった。
この対局も、この空間も間もなく終わってしまうのか。
「負けました」
はっきりとした声で投了を告げた。
「これ負けんのかよ…まじか…」
心の声をグッと飲み込む。
言葉が出てこない。頼む、なんかしゃべってくれ。
ただ、その願いも空しく、空間は静寂に包まれていた。あまりのひどさに私を気遣ってくれたのかもしれなかった。
「これが…」
私の指は23を差している。
「あ、ええ…」
消え入りそうなか細く小さな声だった。
感想戦は、次の進行もあったので短めに。
離席間際、相手の方が
「あまりに苦しい時間が長かったので」
苦笑いと共に心からホッとした表情が印象的だった。
総手数162手、持てる力は全て出しきった。
でも、やっぱり、勝ちたかった。

大山杯・アマ王将南東北予選⑥「躍動」

再掲図は△33歩まで
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以下の指し手
▲64歩△53金▲54歩△52金▲66銀△46歩▲53角
△45飛車▲35飛車△41飛車▲42歩△51飛車▲65飛車
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全軍躍動、自陣に遊び駒が1枚もない。
あの有名な台詞が頭にこだまする。
19香車「くっそ、誰だよおいてけぼり感半端ねーなとか笑った奴はw」
まずは▲64歩の取り込み。△同金は▲53角の両取りがあるので、△53金と辛抱。さらに▲54歩と叩く。△同金は▲63歩成があるのでやはり取れない。さらに△52金と辛抱。64と54に強力な攻めの拠点を作る事に成功した。
そこで、一転▲66銀と自陣に手を入れる。
この手は玉頭方面に厚みを作りながら、玉のコビンの守備力を強化した一手だ。具体的には55角や55桂馬を消している。これによって後手の持ち駒の威力を半減させる事に成功した。さらに4筋からのと金攻めから遠ざかっている点も見逃せない。一石二鳥だ。
秒に追われた後手は、やむを得ず△46歩と取り込んだが、その瞬間に▲53角と放り込む。これも△同金は▲同歩成で崩壊するので、△45飛車と耐える。この手は△25飛車の転回を狙った一着だが、ここで▲35飛車がクロスカウンター。▲66銀と一手ためたのは、45の地点に飛車を誘導するためだったのだ。
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△同飛車は▲同角成で必勝。△53金と根本の角を取っても、▲45飛車と取れる仕組みになっている。後手は29秒のブザー音と同時に△41飛車。▲42歩と飛車を封じ込め、△51飛車に▲65飛車。
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後手の陣形が最初からほとんど変わっていないのに対して、こちらは64歩、54歩、66銀、53角、35飛車~65飛車と連続で6手も有効手を指した事になっている。特に飛車は39の地点から、相手の手に乗りながら、主戦上の65の地点まで一気にワープした計算だ。バントあり、ヒットあり、そして豪快なホームランありの会心の攻め。
「これはいける、本当に勝てるぞ…!」
両まわしに手がかかり、後はどう寄りきるかという場面だが、後手は△62歩と徳俵で踏ん張る。
30秒の秒読みの中で、この土俵際の粘りは驚異的だ。苦しい局面でも決して諦めないメンタルに恐ろしさを感じた。
そして、何より、昨日観たオーラが衰えていない。
おかしい、倒れていてもおかしくないはずなのに…次第に焦りを感じたのは私の方だった。
扇子で顔を隠しながら、「落ち着け、落ち着け」と心の中で言い聞かせる。平常心だぞ、と。
だがそう言い聞かせている時点で、私の心は乱れていた。確かに急所にパンチが入っている。にも関わらず、決定打には至らない。
その心の隙をついて、ついに後手が猛追を開始する。

大山杯・アマ王将南東北予選⑤「軽快VS重厚」

私は角道を開けて、着手を待った。
後手は静かに△34歩。
3手目にして早くも決断を迫られる事になった。
昨日観た限りでは振り飛車党のようだが、もし▲26歩に対して居飛車でこられたらどうするか。
飛車先の歩を突けば相居飛車も覚悟するしかない。
もう後戻りはできないのだ。
それならば「あれ」でいくしかない。そう、ツノ銀雁木だ。少考して駒音高く▲26歩。
すると、すかさず△42飛車。とりあえず第一関門は突破したようだ。私はノータイムで▲66歩。
早い展開では、一瞬で敗勢になる恐れがある。
角道を止めて、スローテンポにして厚みを主張するのが私の作戦だ。
後手はノータイムの連続で一直線に穴熊を構築した。対照的に私は小刻みに時間を使いながら、慎重に慎重に駒組みを進めていく。そして迎えたのがこの局面。
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後手は左銀を保留したまま、角道を通して工夫全開の陣形だ。このまま、5筋を切られてはまずい。扇子を開いて長考に沈む。▲46銀と出たいが、守りが薄くなる上に決戦は避けようがなくなる。怖い、怖すぎる。だが、考えているうちに腹が据わった。力強く▲46銀。以下角頭を巡る攻防が続き、後手が△42飛車と捌きを狙ってきたのが図だ。
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△46飛車の捌きをどう防ぐか。
ここで直観が閃いた。これしかない。
▲57銀と力強く着手して離席。
この時点で30分の持ち時間は残り13分まで減っていた。
対して後手はここまでわずか5分の消費。
だが、不思議と焦りはなかった。
局面は互角かそれ以上だぞ、と自分に言い聞かせる。
トイレから戻ると、まだ局面に変化がなかった。
それだけ難所ということか。
1分、2分。どんどん時計の針が進んでいく。
10分を越える大長考の後に指されたのは
「△14歩」
深すぎて意味がよく分からない…
予定の▲37桂馬にノータイムで△22角。
なるほど、13に活用しようという構想だったようだ。
以下、右辺で大激戦に。今、後手が△33歩と飛車成りを受けた所だ。
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形勢はどうか。桂損だが、左美濃の堅陣はしっかりしている。駒の働きも悪くない。対して後手は穴熊は健在だが、△23の銀の働きが弱い。
僅かに有利と思っていた。
残り時間はもうほとんどない。間もなく一手30秒の秒読みが始まる。
扇子で風を顔にしきりに送りながら、全神経を盤上に注ぐ。
小さく息を吐いて、扇子を閉じたその時だった。
あ!…できた。
ここから13手後の局面が浮かんだというよりは、
「見えた」
私は心の中で、傑作、と呟いて歩をつまんだ。

大山杯・アマ王将南東北予選④

感想戦の前に、先に結果を事務局に報告。
師匠のH先生は、
「お~勝ったか!」と笑顔で言った後に、
「よほど明日運営がやりたくなかったと思われる」
とニヤリ。思わず苦笑い。
そこに県内屈指の強豪Y氏が現れ、結果を知って絶句。
少しだけ間があり、ボソッと一言、
「よほど運が良かったんだね」

手荒い祝福?を受けた後、感想戦が始まった。
ものすごく悔しいはずだが、N氏の態度は終始立派だった。「最後の△67角成では△22玉と迷ったんですが…」ずっと平静だったN氏が、初めて悔しそうな表情を見せた。自分も何度も逆転負けを喫しているので、その心情は痛い程分かる。
「そう指されていたらやはりこちらが負けてそうですね」私は静かに、小さく頷いた。
一礼をして感想戦が終了。
ちなみにN氏は、翌日の有段者の部で53人の猛者との勝負を勝ち抜き、見事に4位入賞を果たした。

私は他のブロックよりも一回対局数が少ないので、他の強豪の対局を観戦。
皆一様に迫力があり、独自の型を持っている。
対抗形も多く、特に中飛車の人気が高かった。
「あれは…」
一人の強豪に目がとまった。体からオーラが出ている。誰だろう…ん!?この名前は…
瞬時に記憶が甦った。急いでトーナメント表に駆け寄る。あ!声にならない声をなんとか飲み込む。
県内屈指の強豪Y氏に勝って、代表決定戦に臨んでいるではないか。
私は側に張り付いて、対局を観戦することにした。
局面は振り飛車から優勢に進めていたが、丁寧に時間を使っていた。迎えた終盤。
どうやって寄せの構図を描いているのだろうか?
一瞬の出来事だった。あっという間に相手玉に必至がかかった。これはあまりにも次元が違いすぎる。
だが、同時に明日、対局してみたい!!!
燃える感情がふつふつと湧いてきた。
興奮と衝撃と共に帰途についた。

「もう15年前か…」
就寝前。大会パンフレットの歴代優勝者を見ると、県勢の覇者は2003年のN氏まで遡ることになる。
その時のN氏の強さは今も語り草だ。
それにしたっていくらなんでも明日のこの面子は、と思う。超強豪ばかりだ。
県勢の勝ち残りは、山形のスーパーレジェンドS氏、山大のスーパーエースH氏、山形のスーパー中学生のM君、今は他県だが、スーパー安定感抜群のO氏。そして、私、スーパー…あれ?俺だけ何もスーパーがつかない笑
まあ、明日勝ってスーパーになりゃあいいだけだ。
ニヤリとした途端に眠気が襲ってきた。

翌朝。スーツに身を包み気合いを入れる。
上着を羽織ながら、スーツ着て勝った試しねーんだよなぁと苦笑い。
Perfumeの無限未来を聴きながら会場到着。
今日も選手と運営を兼務。会場準備をしながらも、作戦を考えていた。
いよいよ抽選。若い番号順なので、私からくじを引く。
直観で引いた番号は「1」
あ、これは1位になる、優勝の意味だなと本気で思い込む。
全員格上だが、とりあえず気持ちだけは負けないよう奮い立たせる。
抽選が終了、そして初戦の相手は…
なんと昨日対局を熱望したあの方だった。
「ありがてえ、そうだ!俺はスーパー持ってる男だ。俺には運の良さという武器がある。」
全てをプラスにとらえて着席。再度気合いを入れる。
対戦相手は元奨励会三段の方だ。
振ります、とはっきり私に告げ、振り駒。
ずいぶん長いこと振るんだなと思いつつ、じっと眺める私。
「と金が3枚です」
その言葉に緊張が走る。先手か…
本田先生の対局開始の合図と共に一礼。
全てを、全てを出しきる。そう固く心に誓い、ゆっくりと角道を開けた。